労働保険事務組合の種類

   

実は労働保険事務組合には種類がある

労働保険事務組合とは「事業主の委託を受けて、事業主が行うべき労働保険の事務を処理することについて、厚生労働大臣の認可を受けた中小事業主等の団体です。」というと、労働保険事務組合はみんな同じように聞こえますが、実は運営母体により様々な違いがあります。たとえば「委託 事務組合」というキーワードで検索してみると「事務組合」がたくさん出てきます。「○○SR経営労務センター」、「××町商工会」、「○×協同組合」など様々なものが出てきます。それぞれの組合の加入条件に合致していればあなたはどの組合にでも加入することができます。逆に言えば、あなたがどんなに加入したくても加入条件を満たさなければその事務組合に加入することはできません。

事務組合の種類

事務組合はその成り立ちにより

  • ゼネコン協力会系
  • 国保組合系
  • 商工会系
  • 所属団体系
  • 社労士(個人)系
  • 社労士団体系(SR事務組合)

に分かれます。大まかな特徴を表にまとめました。

事務組合特徴の比較表

 

母体 ゼネコンの 下請会系 国保組合系 商工会系 所属団体系 社労士系

(社労士個人が事務組合を運営)

Sr事務組合

(当事務所が加盟)

会費 安い ※ 会費以外に事務手続費用を徴収する場合が多い 会費が不明 確な団体も? 安い(社労士顧問料は別途)
労災事故 社労士がいなければ手続できない できる できる
社会保険 社労士に委託が必要なため、 別途費用がかかる 可能 できる
一人親方 労災 団体を持っている場合もある できる

※ただし、加入しているゼネコン等以外の現場での労災事故報告はしづらい。

母体がゼネコン、元請会社の下請会の労働保険事務組合に加入するメリット・デメリット

メリットとしては、仕事が回ってくる?かもしれない。という期待感でしょうか。実際に回ってくるかはわかりませんが、

デメリットとしては、①そのゼネコンの仕事でケガをした時でも、安全協力会のときみんなの前で事故の概要を報告される(恥ずかしい)、②事故を起こしたことが分かってしまうので、次から仕事をもらえないことがある(生活に困る)、③ほかのゼネコンの現場でケガをしたことを報告しにくい(労災保険が使えない)、などがあります。

母体が国保組合の労働保険事務組合に加入するメリット・デメリット

メリットは、同時に国保組合に加入することもできることでしょう。

デメリットとしては、細々とした活動にかり出されること。労災事故のプロではない職員が労災の手続をしている(労災手続に手間がかかる)。 また、国保組合の加入者が個人から法人に法人成りし、そのまま国保組合に加入し続けること自体が困難になっていますので、このようなときは労働保険事務組合のみの団体に移行する例が増えています。

母体が商工会議所の労働保険事務組合に加入するメリット・デメリット

メリットは、すでに商工会議所に加入している場合は、会費が不要(しかし、事務手続料という名目で別途会費が取られる)という点があります。

デメリットとしては、①会費以外に事務手続料を徴収される、②労災事故のプロではない職員が労災の手続をしている(労災手続に手間がかかる)、などがあります。

母体が社労士系の労働保険事務組合に加入するメリット・デメリット

社労士系の事務組合のメリットとしては、労災保険の専門家である社労士が手続きを行う事があげられます。社会保険についても同じ事務所で委託を受けることが可能です。

デメリットとしては、顧問契約が必要で事務所により金額が異なる。顧問契約の内容も異なるといったことがあげられます。

SR系の労働保険事務組合に加入するメリット・デメリット

SR経営労務センターというのは社労士の集まりで構成している労働保険事務組合です。昔は、社労士個人で労働保険事務組合を持つことができましたが、現在では社労士個人で事務組合を持つ事はほとんど不可能です。その代わりに、各都道府県に一つ「各県の社労士が集まって労働保険事務組合を作る」事が認められています。これを○○SR経営労務センターといい、○○の部分には都道府県名が入ります。参画している社労士と「顧問契約」を結び労働保険事務を委託することができます。事務組合とのやりとりはすべて、社労士が仲立ちしますので顧問契約をする社労士との相性が大事になると思います。

加入する際の判断基準

私の考えでは(事務組合のメリット3にも書きましたが)ズバリ、特別加入です。極論すれば特別加入しないのならば事務組合に加入するメリットはほとんどありません。労働保険料が分割で払えるのもありますが、そのためにいくらかの年会費を支払うのですから、この低金利時代にメリットといえるかどうか疑問です。そもそも保険料が高額であれば事務組合に加入して無くても分割払いを選択できます。

どの事務組合がいいか

建設業で、仕事をもらうためと割り切れば「元請け、ゼネコン系」は一つの選択肢になるでしょう。しかし、事実「他の現場での労災事故の申請ができない」との理由で私のところにいらっしゃる方も少なからずいることも事実です。また、元請けへの気遣いから労災隠しへ発展してしまうこともあるようです。

国保組合・商工会系は、すでに国保や商工会に加入している場合、あらかじめ結びつきがあるので加入しやすいのでは無いかと思います。社会保険の手続きや労災事故の手続きができないことに注意する必要があります。そういう点では中途半端な感じがします。

社労士系SR系はそのような心配は無く、社会保険の手続きも労災事故の手続きも社労士が行うことができます。ただ、社労士個人の信頼性の見極めが重要。なのかなと私は思います。くれぐれもこんなはずじゃあ無かった。などと言うことが無いように。

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