療養(補償)給付とは
療養(補償)給付は、業務災害または通勤災害によりケガをしたり病気にかかった場合、病院等で治療が必要になったときの給付です。療養(補償)給付は「療養の給付」として、治療を自己負担なしに受けるのが原則です。労災病院や労災指定病院等に療養の給付請求書を提出すれば自己負担なしに治療が受けられます。あなたが治療を受けた労災指定病院等は都道府県労働局に対して診療費や薬剤費を請求します。
療養の給付の範囲
療養(補償)給付となる療養の範囲は次のようなものです。
- 診察
- 薬剤またはその治療材料費
- 処置、手術その他の治療
- 居宅における療養上の管理およびその療養に伴う管理・看護
- 病院または診療所への入院およびその療養に伴う世話その他の看護
- 移送
請求書の種類
業務中の災害の場合は「療養補償給付たる療養の給付請求書」(様式5)
通勤途中の災害の場合は「療養給付たる療養の給付請求書」(様式16の3)
用紙はお近くの労働基準監督署で分けてもらえますが、下記のリンク先からダウンロードでも入手できます。
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/03.html
いろいろな様式がありますので、間違えないようにダウンロードしてください。
労災の請求書が無い場合は労災で治療を受けられないのか
緊急の場合など労災の請求書を持参できないのは良くあることです。その場合は口頭で「労災で治療を受けたい請求書は後日持ってきます。」と言うことを伝えてください。病院によって対応はまちまちですが、(一時的に立て替え払いをしなくてはならない等)後日請求書を持参すれば返金されます。会社の人に同行してもらうなどすればなおさら良いと思います。
労災指定病院以外の病院にかかった場合
出張先にケガをしたときに近くに労災指定病院が無かった場合など、労災指定病院に書かれないときがあります。この場合はいったん費用を負担した上で請求書の裏面を病院で記入してもらい、監督署に直接提出します。
会社近くの指定病院から自宅近くの病院へ転医する場合
会社内で負傷し当初会社の近くの病院にかかったが、当面休業することになり自宅近くの医院へ変わりたいときには「療養補償給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届け」(様式6号)または「療養給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届け」(様式16号の4)を転院先の指定病院等へ提出します。
柔道整復師にかかった場合
柔道整復師には施術料金を直接労働基準監督署に対して請求する柔道整復師とそうで無い整復師があります。前者の場合は請求書は柔道整復師に後者の場合は労働者が直接監督署に請求書を提出します。
鍼・灸の施術を受けた場合
針灸の施術、マッサージについては医師が必要と認めた場合のみ支給対象となります。請求書に所定の診断書領収書などを添付して直接監督署に提出します。自分で勝手に施術を受けても労災保険は適用されません。
訪問看護事業者の利用
重度の脊髄・頸随損傷患者やじん肺患者等の病状が安定した状態にあり、かつ居宅にて保健師、看護師、准看護師理学療法士および作業療法士による療養上の世話および診療の補助が必要な労働者が支給対象となります。領収書を添付して監督署に提出します。
移送費・通院費
災害現場から病院等に行く場合自宅から通院する場合などでも移送費・通院費が支給される場合があります。支給要件は監督署にご確認ください。